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市井の荒波にもられるアラサーが、無駄に本心をさらけ出します

需要と供給の不幸なマッチング

 いじめられっ子とは、集団の結束力を高めるために集団内部から選出された「共通の敵」です。彼を攻撃する(いじめる)ことで、結束を深めることができます。
 いじめられっ子に選ばれる基準は、概して「いじめても問題にならないこと」です。例えば、文句言われても言い返せない、比較的大人しいタイプ。これはいくら攻撃しても反撃してこないから、(相手が壊れるまで)存分にいじめることができる。
 基本的にいじめられっ子は、いじめたときのリスクが低い人間です。ちょっとぐらいいじめても、黙っているから問題無い。逆に、イジメに対して反撃する奴はいじめられません。ヘタにいじめると、猛烈な反撃を食らうから。ぶんなぐられたり、先生に言いつけられたり。
 タチの悪いことに、いじめられっ子ってのは、集団を運営していく以上必要不可欠な存在です。だって、いじめられっ子をいじることで、みんなの結束力が高まるんですから。ただなんとなく苛めている連中よりも、よっぽど価値ある存在です。すっごい皮肉なことにいじめっ子は、「イジメ」というネガティブな行為を通じて、いじめられっ子にレゾンテートルを与えています。「俺たちお前を大切に思うから、こうやってかまってる(いじめてる)んだよ」って。逆にいじめられっ子のほうも薄々理解しています。イジメを通じて、自分の居場所が与えられることに。耐えてさえいれば、集団に所属し続けることができます。例えいじめられて嫌な思いをしたとしても、周りからシカトされて孤立するよりマシです。いじめを苦に自殺するのも、大人しすぎてイジメに甘んじてしまい、限界を超えてしまったんだろう、と勝手に思ったりします。
 「共通の敵を見つけて、より結束力を高めたい集団」と「多少ダメージ被ってもいいから、集団に所属したい大人しい子」。ある意味win-winな関係です。片方は攻撃する相手を求めていて、もう片方は、攻撃だろうがなんだろうが、自分を求めてくれる集団を求めている。かくして両者が出会ったとき、いじめの萌芽が生まれることとなります。以下次回以降。