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市井の荒波にもられるアラサーが、無駄に本心をさらけ出します

キモい? しつこい? わかっちゃいるけどやめられない

映画『ヘルタースケルター』は一銭五厘の価値も無い正真正銘の生ゴミ屑です。

2012-08-03 - ゾンビ、カンフー、ロックンロール

 この映画は「りりこに共感できるか否か」で好き嫌いがはっきり分かれます。僕は不覚にもギュンギュン共感してしまったので、「この映画マジお勧め」とあちらこちらで吹聴しています。
 どこに共感してしまったのか? 「りりこ」としてのアイデンティティを、自分自身の意志力と努力で勝ち取った点。
 デブスの風俗嬢が、美容整形と己の意思で自分作り変えた。「ハンディキャップがあったにもかかわらず、『美人のトップモデル』として成功している」ことが、自分のアイデンティティの根本を形成している。その価値は、外見に著しく依存しています。美貌・体型を維持している限り、周りは自分を認めてくれます。逆に言えば少しでも醜くなってしまえば、自分の価値は無くなってしまう。
 たちの悪いことに、「外見」を判断する基準が自分の中にはない。いくら自分が美しいと思っていたとしても、周囲がどう思うかはわからない。だから自分の美しさを常に確認せざるを得ない。美貌で異性を誘惑したり、ジャーマネに「わたしキレイ?」と聞いたり。必要なのは「わたしは美しい」という自信ではなく、「あなたは美しい」という賛美です。
 僕自身、30kgの減量+αで今の自分を「作り上げた」経験があるので、劇中の描写と自分の経験がアチコチでオーバーラップしてしまうのです。トイレから出た後、「ふぅ」と一息つくところとか、無駄にリアルです。飲み会で喉に指突っ込んだことある人なら、わかるよね? そういう経験がない人からすると、「沢尻エリカが脱いで暴れまわる、ゴッテゴテの商業主義に埋め尽くされた映画」でしかないんだろうと思います。
 などと理屈をこねくり回してみたものの、所詮は映画です。形はどうあれ楽しんだもん勝ちです。僕はこの映画、すっごい楽しんでみることができました。それに尽きます。あと、新井浩文。マジでイケメンでした。