イグアナの続き
イグアナの話を続けます。イグアナである自分には、小さいころから常に2つの思いがありました。
「①自分はイグアナだから、人間を傷つけてしまう」「②自分はイグアナだから、人間に理解されない」
自分はイグアナで、周りは人間ばかりです。根本的に種が違います。ヘタにイグアナが近づいてしまうと、相手はビックリしてしまいます。それどころか、イグアナが仲良くしようと軽く触れただけで、人間の肌は切れてしまうかもしれません。自分には全くそういう意図はないのに、結果として相手を傷つけてしまう。
そうじゃなくても、イグアナと人間では、考え方も違います。イグアナがイグアナなりに一生懸命考えてやったことでも、人間には理解できません。それどころか、「どうしてこんなことをやった」と怒られてしまいます。それどころか、全く理解すらしてもらえず「何やってんのwwww」と笑われる羽目になります。イグアナだってイグアナなりの考えはあります。けれど、それを人間に判るように伝えることができません。結果としてイグアナは、「人間とイグアナは相容れない」と、イグアナと人間の間に壁を作ってしまいます。
そうは言っても、このイグアナは学生である。学校という閉鎖的な社会の中では、必然的にイグアナも人間とコミュニケーションを取らざるを得ません。
ところが、こっちはイグアナで、相手は人間です。まともにコミュニケーションをとれるでしょうか? そんなわけはない。イグアナと人間の間には大きな壁がある。どうしても周囲と齟齬が発生してしまいます。どうやっても越えられない壁を越えようとして、イグアナは無理をすることになります。表現しきれない思いが暴力となってしまったり、壁を見て見ぬ振りするためにアルコールに走ったり。この辺、いかにもイグアナが被害者ヅラぶって書いてます。だけど、実際には諸方面に多大な迷惑をかけています。ほんっとうにごめんなさい。
閑話休題。とにかく、常にイグアナは社会との違和感感じまくりです。一例をあげると
・バスで二人掛けの席に座っても、隣にだれも座らない
→皆、イグアナの自分が嫌いだから、隣に座らないんだ
・エスカレーターですぐ後ろに人が立つ
→何も言わないけど、自分の汗や体臭を、不快に思っているに違いない。
今だから大爆笑ものですが、当時は本当に大変でした。
ちなみに、現在はどうかと言うと、イグアナはやっぱりイグアナです。ただし、イグアナでもイグアナなりの生き方があるんだってことで、まったりやってます。
本日のレビュー「異邦人」
- 作者: カミュ,Albert Camus,窪田啓作
- 出版社/メーカー: 新潮社
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太陽がまぶしかったから人を殺す話。大筋はこれ見ればわかります。
主人公が神父にブチ切れて以降の展開が、イグアナにはとても深く共感できます。
教科書やあらすじ本だと、単なる逆にしか見えません。だけど、実際に読んでみると、人間の絶望について深い洞察がなされた本だと理解できます。