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市井の荒波にもられるアラサーが、無駄に本心をさらけ出します

就活経験者が思うこと

当時は出版社関係を主に受けていたのだけど自分が本当に編集者になるためにはどんな戦略を取ればいいのかさっぱり分からなくて、というよりも自分にそんな編集者になれるだけのスキルがあるのかどうかさえも分からなくて、面接で落とされる度に「ああ、自分はダメな人間なんだな」と全人格を否定されたような気分になって......

http://mindgater.hatenablog.com/entry/2012/05/11/083608

非常に親近感。自分の場合は落とされまくった挙句、「こうなりゃどうとでもなれ」と開き直って受けた会社に内定もらって、そのまま今に至ります。就活当初は全く視野に入れていなかった業種/職種だけど、入って色々と成長することができています。

で、今回のお題。ずばり「就職するメリット」。ちまたでは「就活失敗が原因の自殺増」なんてニュースもあります。だけど、自殺するぐらいなら、とっとと就職しちゃえよ、という話。

就活サイトや情報誌を見てると、よく「就職して『自分の生き甲斐を実現しよう』」なんつーフレーズを目にします。だけど、この「生き甲斐」っていうのがクセモノ。あまりにも抽象的すぎて、簡単には答えることができません。それを、就職サイトなんかでは「就職するためには『生き甲斐』を見つけないと」と煽っているわけです。ところが、就職しといてなんですが僕自身、「自分の生き甲斐ことってなんだろう」と日々悶々としています。「自分の生き甲斐」なんて、人間が一生涯をかけて追及するようなテーマです。古今東西さまざまな文学のテーマになっています。そんな重苦しいテーマをを、二十歳そこそこの学生につきつけている。だってあれですよ、ついこの間まで10代です。LOとかに載ってもおかしくないような年代ですよ。そう簡単に答えられてたまるもんか、って話です。そもそも、本当に「生き甲斐」が明確な人だったら、就活で迷ったりなんかしません。もっと前の段階で「自分の生き甲斐」を実現するための一歩を踏み出しています。例えば生物学者になりたいから理工学部に行くとか、司法試験目指すから法学部行くとか。就活で悩むこと自体、それまで何も考えてこなかったツケとも言えるかもしれません(若干の自省をこめつつ

とは言うものの、学生生活は限られており、卒業したら手前の力でおまんまを食ってかなきゃならない。では、どうするか、自分自身「生き甲斐ないのにどうしよう」と悩みましたが、とりあえず就職してみました。結果的に(厳密にいうと結果出てないですが)正解だったと思います。というわけで、就活で迷っている学生は、とりあえず就職すればいいと思うよ。ブラックだろうと中小だろうと。

以下、その根拠。
①経験値が増える
 社会人になれば、世界が広がります。付き合う人、飲みに行く店、与えられる責任。全てが学生時代とガラッと変わります。最初は面食らうばかりですが、徐々に「あ、なるほど。こういうことか」と、自分なりに吸収できるようになります。そうなったらしめたもの。学生時代とは全く異なる経験を通じて、自分の世界を広げることができます。学生時代にあれほどこだわっていたこと(彼女とか彼女とか彼女とか)も、社会人となって改めて見直してみると、それほど固執するほどじゃないかもしれない。むしろ、社会に出て視野が広がったことで、もっと新しい何かを見つけられるかもしれない。ヘタに就職先にこだわらず、就職してしまえば選択肢が広がります。

②使えるリソースが増える
 ぶっちゃけ、金です。マネー。働き始めたら、お金がもらえます。バイトの比じゃありません。よく「使う暇がない」とか言いますが、逆にいえば時間さえ作れれば、いくらでも好きなように使うことができます。とりあえず金さえたまっておけば、後日やりたいことができても、何とかなります。

③考える時間が増える
 一度就活すれば、周囲から「将来どうするのか」と言われることはなくなります。実際の就業態度はどうあれ(もちろん僕はマジメです)、「就職している」という事実が、周囲の目から守ってくれます。
これって何かに似てませんか? そう、大学生と浪人の関係です。たとえどれほど頑張っていても浪人は「大学に合格できなかった落伍者」です。それに対して大学生は、たとえどれほど遊んでいようと「受験を突破した大学生」です。歴然の差があります。
同じことが「就職浪人」と「社会人」にも発生するわけです。いや、むしろ社会という荒波に直面する分、こちらのほうが格差は深刻です。公務員目指そうと司法試験目指そうと、就職浪人は就職浪人です。どんなにチャラくとも、社会人は社会人です。
どちらが、より社会に貢献しているでしょうか。どちらが、より社会に評価されるでしょうか。
 そして、ヘタな視線にさらされない分、社会人になったほうが、時間ができます。つまり「自分の生き甲斐」を考え、それに向けて行動するチャンスが増えます。どんなに忙しくたって、トイレ中とか食事中とか、考える時間は確保できる。
例え1日5分しかなくても、考える時間は確実に確保できます。普段は仕事を頑張りながら、その一方で「自分の生き甲斐」をじっくり考える、そんな感じでいいんじゃないでしょうか。

ちなみに、自分自身が中二病時代にいろいろ調べた結果、作家については「社会人になってからデビュー」ってのが結構います。そんなに焦らなくても、と自分に言い聞かせつつ。どっとはらい
 ・夏目漱石
 ・東野圭吾
 ・宮部みゆき
 ・宇江佐真理
 ・北村薫
 ・マルクス・アウレリウス・アントニヌス

本日のレビュー「故郷から10000光年」


ティプトリーは大学時代に、むさぼり読みました。「愛はさだめ、さだめは死」とか田中天さんのリプレイでもありますね。
で、この一冊。とにかく、「ビームしておくれ、ふるさとへ」を紹介したい。ここのところ、連日連呼イグアナについて語っていますが、この話はまさしく「人間社会に紛れ込んだイグアナ」の話。
偶然人間社会に生まれてしまったガラパゴス島のイグアナが、なんとかして自分の生まれた故郷に戻ろうとする、
途中ガールフレンドに若干思いを暴露したものの、全く理解されないあたり、喪男の共感を誘います。